(49): ジャクソン

ncv_essays3月4日に愛犬のキャムデンが3人のテイーンエージャーが乗ったスピード違反の車に撥ねられ15フィート程吹き飛ばされて落下し亡くなりました。

救急病院へ即搬送しましたが内蔵破裂で助かる見込みは無いと獣医から報告を受けこれ以上苦しませる事は出来ず安楽死を選びました。

9歳5ヶ月の生涯でした。

私達に限りない喜びを与え続けてくれたキャムデン。プリンスエドワード島には8回も同行し、その他全米の各地私達が行く所には常に一緒でした。

 

元気だった頃のキャムデン。凄いハンサムで体もマッチョ。足が長く体も大きくて私好みの男。(c) Ayako

元気だった頃のキャムデン。凄いハンサムで体もマッチョ。足が長く体も大きくて私好みの男。(c) Ayako

キャムデンは右目ブルー、左目ブラウンでした。(c) Ayako

キャムデンは右目ブルー、左目ブラウンでした。(c) Ayako

 

遺体はその日の内に家に連れ帰り近所の方々が手伝って下さって裏庭に墓穴を掘りそこに彼が好きだった毛布やオモチャと一緒に懇ろに埋葬致しました。

その間、私の白内障の手術、腰の手術などを経て今日に至っていますが、見事なペットロスから鬱病になり心身の立て直しが出来ずに血圧の乱高下と云う結果に繋がり、最初は37に急降下し、次は200に急上昇し3週間の間に2回も私自身が救急車で緊急搬送される事態となりました。

犬を中心とした暮らしだったので失ってみればその存在価値が如何に大きかったか、火の消えた様な家で夫婦黙ってご飯を食べ、話すことも無く、ただ溢れる涙を止める事も出来ずに時間がゆっくりと過ぎて行く内に夫婦の関係もギクシャクとし出し、深く心に傷を負った私達はストレスが溜まりちょっとした意見の行違いで大喧嘩に発展した事が有りました。

犬を失った悲しみは犬でなければ癒す事ができず、キャムデンと同じ犬種のハスキー犬を全米で救助・救援活動をしている団体や施設へ貰い受けたい希望を出しましたが審査が大変厳しく、きちんと世話をしているか施設から調査に来るので住居が3時間以内の距離であることや、安全の為に高さ2メートル以上のフェンスを敷地内に張り巡らせているか、又年取って世話が出来なくなった場合の事が有り、貰い受ける側の年齢制限も有って申し込み状を提出しても何度も断られ心が折れそうになりましたが、それでも諦めずに毎日ネットで探し駄目元でコンタクトしていました。

その中の一箇所から連絡が入りこの2週間密にEメールでコンタクトをしていましたら面接に来て下さいとの事で夫と一緒に降りしきる雨の中を出掛けました。

距離はどんなに遠くても構わず何処へでも行く覚悟でいましたら同じサウスキャロライナのしかも高速で我が家から30分程の距離の田園地帯でした。

75歳のご夫婦が純血種のハスキー犬のみをショードッグとしてコンテストに出す為に飼育をしておられ7匹のハスキー犬が家にいました。

玄関を入って直ぐに自己紹介した時に奥さんが「私の叔父は軍役で日本に駐留して居た時に日本人女性と結婚して私にとって”アキコ”と云う名前の日本人の叔母が居ますと仰いました。

ご夫婦は自分達の年齢を考慮しこのビジネスから徐々に撤退する考えで今迄育てて来た犬達を少しずつ彼等にとって一番相応しいと思われる家庭へ譲りたいとのお考えで慎重に考慮を重ね私達にコンタクトして来て下さった次第です。

奥さんの方が最初に私が犬に触れた時の態度や犬が今まで他の誰にも見せた事がない喜びの動作をしたのでピンと来たと仰ったのですが、ご夫妻のお眼鏡に叶って私達が貰い受ける事になりました。

ハスキー犬のショードッグで中には全米のチャンピオンになった犬も居て、若し貴女が好きならこの犬でもいいですよとオファーを出して下さったのですが私達は6歳のオスの方を希望しました。

名前は貴女が好きなのに変えても構いませんと仰ったのですが生まれてからジャクソンと名付けられずっとその名前で呼ばれている犬は急に名前が変更になったら混乱するだろうと思いそのままジャクソンで通す事にしました。

 

新しい犬のジャクソンです。体はキャムデンより一回り小さく足も短い。両目はブルー。(c) Ayako

新しい犬のジャクソンです。体はキャムデンより一回り小さく足も短い。両目はブルー。(c) Ayako

 

貰い受ける費用をお尋ねしたら、この子は金で売りたくは有りませんと仰って犬の持ち主名の公式登録の変更に掛かる費用35ドルだけを払って貰えればそれで良いと頑なにお金を受け取る事を拒否されました。

帰りに新しい首輪、リーシュ、ドッグフードも沢山持たせて下さった上に若し貴女達が今後長期の旅行などに行く時は是非この犬を私達の家に連れて来て下さい、私達が責任を持って無料で世話し預かりますと有難いオファーも出して下さいました。

母犬のお腹にいる時から世話をし、生まれたその日から愛情と時間を傾けて6年間育てて来た犬を今他人の私達に譲り渡すのはさぞ身を切られる程辛いだろうと彼等の胸の内を思い計るとこちらも胸が詰まり涙が溢れました。

大きなキャンピングカーが庭に停まって居ましたがその車に犬達を乗せて、来週は全米ハスキー犬協会の定例集会の為にネブラスカ州へ行くそうで、全米から集まった250匹以上のハスキー犬が一堂に揃う姿は素晴らしいと仰って居ました。

この費用が年間5万ドル掛かるそうでその費用捻出の為にご主人は75歳を過ぎても自動車修理のパートをやって働いておられるとのお話でした。

キャムデンを失い失意のドン底で苦しんだ日々を経て今私達の元には6歳のジャクソンがきてくれました。飼い主だった奥さんは「これはきっと神様が私達を引き合わせて下さった結果でしょう、成る可くしてなった結果だと思います」と仰ったのですが私も不思議な縁を感じ、キャムデンが引き合わせてくれたのではないかと思います。

 

連れ合いとジャクソン。(c) Ayako

連れ合いとジャクソン。(c) Ayako

私とジャクソン。(c) Ayako

ジャクソンと私。(c) Ayako

(c) Ayako

(c) Ayako

Author: Ayako (綾子)

40年近いロスアンジェルスでの暮らしにピリオドを打ち、サウスキャロライナはグリーンビルにてリタイアするも、一年のうち、夏は、カナダのプリンスエドワード島へ、一ヶ月は日本へ、その他も、第二の故郷であるロスやヨーロッパなど、転々と落ち着きのない生活をしています。

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